CASE STUDY / 導入事例
EC

「一度きりのお取り寄せ」で終わらせない。旬のAIパーソナライズ配信×季節の定期便サブスクで2回目購入を約50%・LTVを+29%にした産地直送ECのデータ全公開

2026.06.29

食品のお取り寄せほど、“一度きり”で終わりやすい買い物はない。——お中元で、旅先の余韻で、SNSでバズった旬の味で。きっかけは強いのに、初めて買ってくれた人がもう一度買ってくれる確率は約3割。だが、そこを越えて3回買ってもらえれば、その後は約9割が続く(POS+/タカラベルモント)。季節商材は、この「最初の数回」をつなげにくい。旬が過ぎれば、その理由ごと消えてしまうからだ。地方で小さな産地直送のお取り寄せECを営む、あるブランド。季節の「定期便」サブスクを軸に、LINEのデータでこの“2回目の崖”を越えにいった。広告で新規を買い続けるのではなく、一度出会った人と、季節をまたいで長く付き合う——その全プロセスを公開する。

舞台は、旬を箱に詰めて全国へ送る小さな産直ブランド

舞台は、地方の小さな産地直送のお取り寄せECだ。精肉、海産、フルーツ、季節のスイーツ——その時期にいちばんおいしいものを、生産者から預かり、保冷の箱に詰めて全国へ送る。「畑や港から、食卓まで最短で」。それがこのブランドの矜持だ。販路はオンラインのお取り寄せが中心で、旬の食材が毎月届く「季節の定期便」と、ギフト需要が大きな比重を占める。鮮度が命だから、冷蔵・冷凍で“いちばんいい状態”を届けることに、ほとんどの神経を使っている。

運営は代表とパートの少人数。SNSやふるさと納税で名前が知られ、注文も季節ごとに伸びていた。だが、伸びていく注文履歴は、ただの“伝票の山”でしかなかった。「誰が定期便を続けていて、誰がお中元の一回きりで離れたのか。それを正確に言えるのは、毎日箱を詰めている自分の感覚だけでした。広告を回せば新規は取れる。でも、せっかく一度買ってくれた人が、その季節が終わったあとどうなったのかを、追えていなかったんです」。代表はそう振り返る。

データで見る、LINE配信の“不都合な現実”

施策の話に入る前に、まず業界の数字を直視したい。LINE公式アカウントには、業種ごとにくっきりとした“ブロックの壁”がある。

業種LINEブロック率(中央値)
日用品19.1%
飲食22.8%
化粧品34.8%
人材35.8%
医療・美容37.0%

出典:Social Plus「LINE公式アカウントのブロック率」2024年調査(友だち1,000人未満を除外)。平均ブロック率は29.7%。食品お取り寄せECは業種として個別には公表されていないが、近い業態の日用品19.1%、そして平均29.7%が一つの目安になる。

さらに重要なのがブロックの理由だ。消費者調査では、LINE公式アカウントのブロック経験は70%、その理由の第1位は「配信の頻度が多すぎる」(26.5%)(モビルス2025・655名)。つまり“たくさん送る”ほど切られる。一方で、LINEの国内月間利用者は約9,800万人(2024)から2026年には1億人を突破(LINEヤフー公表)、60代以上の利用率も69.0%。お取り寄せやギフトと相性のいい層を含め、リーチの母数は巨大だ。なのに、配信の仕方を間違えると、その大半に届かなくなる。

お取り寄せECにとって、これは死活問題だ。新規獲得の広告費は年々上がり、季節ごとに“一度きりの客”を買い続ける構造は、早晩立ち行かなくなる。だからこそ既存客との接点=LINEが頼みの綱になる。なのに、その接点を「今週のセール」「お中元特集」の一斉送信で消耗させてしまえば、最もコストの安い再購入チャネルを、自ら細らせることになる。生産者の物語ごと届けたい一品を、量産のお知らせで売れば、その価値ごと安っぽくなる——リーチを取りにいくほどブランドが削れる、この矛盾が最初の壁だった。

なぜ「季節の定期便」なのか——食品お取り寄せの勝ち筋

このブランドが軸に据えたのは、季節の「定期便」サブスクだった。一回ごとの都度購入ではなく、定額で“毎月その時期の旬が届く”状態を持ってもらう。これは単なる課金方式の話ではない。「次にいつ、何を買うか」を、毎回ゼロから考えさせないための設計だ。

都度購入のままだと、人は旬が過ぎるたびに「次はどうしよう」とゼロから考える。お中元の余韻が冷めれば、それきりになる。季節商材ほど“一度きり”になりやすいのは、買い続ける理由が季節とともに消えてしまうからだ。定期便なら、その判断と手間が消える。気づけば毎月、その季節のいちばんが食卓に届く。冒頭のデータ(3回買えば約9割が定着)を、季節の定期便が構造的に後押しするわけだ。

サブスクラインでは、こうした定期便(サブスク)や回数券を、LINE上で完結して提供できる。お客様はLINEから申し込み、決済し、お届けサイクルもLINEで管理する。LINEの会員証提示やギフト用途にも対応する。「申し込む」「払う」「受け取る/贈る」が一本の動線になる。店側は、誰がどのプランで、いつから何ヶ月続けているか、どの産地・どのカテゴリ(肉か魚かフルーツか)を好むかを、データとして把握できる。伝票の山が、初めて“買い続けてくれる人の記録”に変わった。

入口でつまずかせない——あいさつ+ステップ配信

最初に整えたのは、初回購入・友だち追加直後のオンボーディングだ。初めてお取り寄せしてくれた直後は、最も気持ちが温まっている瞬間であり、同時に最も離れやすい瞬間でもある。ここを“放置”すると、せっかくの初回が一度きりで終わる——これが2回目の崖の入口だ。

そこで、友だち追加と初回購入をトリガーにあいさつメッセージとステップ配信を自動化した。1通目は感謝と、その食材のいちばんおいしい食べ方・保存と解凍のコツ。数日後に「食べ終わる頃」を見計らった次の旬の提案、さらに後日に季節の定期便にすると何が楽になるかの案内——と、急かさずに、しかし確実に“2回目への橋”を架ける。スタッフが一人ひとりに手作業で送る必要はない。一度設計すれば、新しいお客様全員に、同じ丁寧さで届く。

「最初の数日で何も届かなければ、お客様は店のことを忘れます。逆に、食べ切る頃に“次はこの旬がおすすめです”が、ちょうどよく届けば、もう一度頼もうと思える。その入口の設計を、仕組みに任せられたのが大きかった」。

解決の核:AIパーソナライズ配信——旬を「1人ずつ」届ける

ステップ配信で“2回目”をつくった先で、このブランドが最も価値を感じたのがAIパーソナライズ配信だ。これは、配信対象の一人ひとりに合わせて、文面・画像をAIが個別に生成する機能だ。購入履歴、好みのカテゴリ(肉・魚・フルーツ・スイーツ)、買う頻度、自家用かギフトか、過去にどの季節に動いたかを踏まえ、「前回お買い上げの○○、そろそろ食べ終わる頃では。次は同じ産地の新物が旬を迎えました」「あなたが選んだ海の幸に合う、今が旬の一品が入荷しました」といった“その人あての一通”を、人手をかけずに用意する。

旬を売るブランドにとって、これは決定的だった。量産のお知らせは季節感を薄めるが、“自分宛て”の一通は、開封した瞬間から産地の物語の続きになる。送る相手だけでなく“中身”まで一人ひとりに合わせることで、配信そのものが、ブランドを削るどころか、むしろ世界観を延長する接点に変わった。旬は毎月入れ替わる。だからこそ、一斉では追いつかない“今のいちばん”を、1人ずつに合わせて届けられることが効いた。

そして何より重要なのが、送信前に必ずスタッフが確認・承認すること。AIが勝手に送ることはない。AIはあくまで下書きまで。最後に送るかどうかを決めるのは、いつも人だ。スピードと、ブランドを守る慎重さ。その両立が、産地の信頼を背負うブランドでも安心して使える理由になった。

一斉配信 vs AIパーソナライズ配信——同じ条件で比べたデータ

このブランドが同条件で比較したところ、差は明確だった。

一斉配信AIパーソナライズ配信
配信の中身友だち全員に同じ1通1人ずつ、購入歴・好み・季節に合わせてAIが文面・画像を生成
旬・季節との一貫性“今月のセール”の量産で、産地の物語が埋もれる“今が旬の、あなたあての一品”で、次の季節へ続く
反応率(URLタップ)約4%約13%(約3倍)
ブロックされやすさ通数が増えるほど切られやすい下がる(一通の関連性が上がる)
配信の手間スタッフが手作業で1通ずつ考えるAIが下書き → 人が確認して送る
送信の安全性送信前に必ずスタッフが確認・承認

配信の反応率(URLタップ率)は、一斉の約4%から、パーソナライズで約13%へと約3倍。そして“自分向け”の情報が届くほど、ブロック率は約26%から約15%へと大きく下がった。送る数を増やしたのではない。一通の精度を上げた結果だ。

なぜ、関連性が上がるとブロックは減るのか

理屈はシンプルだ。ブロック理由の第1位は「頻度が多すぎる」(モビルス2025)。裏を返せば、“自分に関係ない配信”が多いほど、頻度が「過剰」に感じられる。逆に、一通一通が自分向けなら、同じ通数でも“ちょうどいい”に変わる。AIパーソナライズは、配信の関連性そのものを引き上げることで、頻度の体感を下げ、ブロックを減らす。このブランドは月8回だった配信を月4回へ意図的に減らし、その分、一通の質に振り切った。送る数ではなく、一通の関連性で勝つ——旬と物語を守りたいお取り寄せECほど、この発想が効く。

冷蔵・冷凍という壁——“受け取り”と“お届けサイクル”をLINEで握る

食品お取り寄せには、他の物販には無い独特の難所がある。冷蔵・冷凍の受け取りだ。生鮮は、届いても受け取れなければ価値が落ちる。再配達のたびに鮮度と信頼が削れ、「不在がちだから」「解凍が面倒そう」という“買う前の不安”が、そのままカゴ落ちの一因になる。

サブスクラインでは、お届け日時の確認・変更や、次回お届けのリマインドをLINE上で完結できる。季節の定期便の会員には、発送前に「来週○曜にお届け予定です。ご都合いかがですか」とLINEで一声かけ、必要なら日時を変えてもらう。届いたら解凍と食べ頃の目安をそっと添える。“買ったあとの体験”までLINEで支えることで、生鮮ならではの不安が、リピートを止める理由でなくなった。受け取りの確実さは、そのまま定期便の継続率に効いてくる。

ギフト需要を取りこぼさない——セグメント配信+クーポンで“贈る人”を先回り

お取り寄せECの売上を大きく左右するのがギフト需要だ。お中元・お歳暮・誕生日・お祝い・お礼。自分のために買う人と、誰かに贈る人とでは、選び方も、欲しい情報も、買うタイミングもまるで違う。ここを一律の配信で扱うと、どちらにも刺さらない。

サブスクラインのセグメント配信なら、購入データをもとに会員を過去の購入用途(自家用かギフトか)・最終購入日・購入頻度・関心カテゴリで切り出せる。過去にギフトを贈った人へは、季節の少し前に「今年のお中元、昨年人気だった詰め合わせが今年も届きます」と先回りで届ける。自家用中心の人へは、その人の好みの旬を。“贈る人”と“食べる人”に、別々の入口を差し出す。値引きの連発ではなく、“その人の用途に、ちょうど効く一通”で、季節の山を取りこぼさずに拾う。

同じ仕組みは休眠顧客の掘り起こしにも効く。「去年のお中元では買ったのに、その後止まっている人」を、購入間隔の異常から見つけ出し、次の季節が来る前に、そっと旬の便りを差し出す。常連に不要な値引きを連発して単価を削ることなく、取りこぼしと離反だけを、ピンポイントで拾い直す。配信が“全員への安売り”から、“需要のすくい上げ”に変わった。

カゴ落ちの掘り起こし——“あと一歩で買う人”を拾う

ECには、来店型のビジネスには無い“取りこぼし”がある。カゴ落ち(カート放棄)だ。旬の品をカートに入れたまま、ふと手が止まる。送料を見て迷う。冷凍の受け取りを気にして、あとで買おうと思って忘れる——。これらは“買う気が無かった人”ではなく、“あと一歩で買う人”だ。ここを拾えるかどうかで、同じアクセス数でも売上は変わる。

購入データをもとに「カートに入れたまま購入していない人」へ、世界観を崩さない範囲のそっとした一押し(送料が無料になる組み合わせの提案、冷凍の受け取りや解凍の不安に答える一言、初回限定のお試し)を届ける。買う気を後押しするのは、値引きの連発ではなく、“迷いの正体に、ちょうど効く一通”だ。この掘り起こしから、カゴ落ちの約23%が購入に復帰し、しばらく購入の止まっていた休眠顧客の約22%が再び動いた

リッチメニューの出し分けで、定期便会員と未購入者に“別の入口”を見せる

LINEのリッチメニュー(トーク画面下のメニュー)も、全員に同じものを見せる必要はない。サブスクラインでは、季節の定期便の会員と、まだ購入前の友だちとで、リッチメニューを出し分けられる。

定期便の会員には「次回お届けの確認」「お届け日の変更」「会員証」「今月の旬を追加購入」を大きく。まだ買っていない友だちには「初回限定セット」「季節の定期便を見る」「ギフトを贈る」を前面に。同じ公式アカウントなのに、相手の状態に合わせて“次の一歩”だけを差し出す。迷わせない動線が、初回から季節の定期便への引き上げを後押しした。

会員証・ポイントで、“買うほど特別になる”を可視化する

お取り寄せの体験を支えたのが、LINEの会員証とポイントだ。購入やギフト利用に応じてポイントが貯まり、次の旬の便りや季節限定の詰め合わせ、ギフトに使える。

ポイントは単なる値引きの仕組みではない。「買うほど、自分がこのブランドのいい常連になっていく」という実感を可視化する装置だ。購入が記録され、ポイントが積み上がり、会員ランクが上がっていく。その積み重ねが、解約の手を止める。季節の定期便の継続率は、こうした“続ける実感”の設計に支えられている。

AIエージェントが、“次の一手”を提案し続ける

ここまでの分析と配信を、毎日人手で回すのは現実的でない。発送と検品に追われる少人数のブランドならなおさらだ。そこで効いたのがAIエージェントだ。購入データと売上を読み、「去年のお中元層へ、今年の案内を季節の前に」「カゴ落ち中のこの層へ、送料と受け取りの不安に答える一通を」「定期便◯ヶ月継続の会員へ、感謝のクーポンを」といった打ち手を、根拠つきで提案する。

そして何より重要なのが、AIが勝手に送らないこと。提案された配信は、必ずスタッフが内容を確認し、ワンタップで承認して初めて実行される。分析 → 提案 → 承認 → 実行のループが回り、「繁忙期で手一杯、今月まだ何も配信していない」がなくなった。最後の判断は、いつも人が握っている。属人化していた“代表の勘”が、仕組みとして回り始めた。

導入後の成果

導入後の成果(BEFORE → AFTER)
2回目の購入率
約50%
約30% から改善
季節の定期便の3ヶ月継続率
約87%
“次の旬”が続く理由を設計
配信の反応率(URLタップ)
約13%
一斉 約4% → 約3倍
カゴ落ちからの購入復帰
約23%
送料・受け取りの不安を“その人あての一通”で
休眠顧客の復活率
約22%
旬の便りで“次の季節”へつなぐ
LINEブロック率
約15%
約26% から低減
既存顧客のLTV
+29%
季節の定期便継続×ギフト・季節限定の物販
月間の配信回数
月4
月8回 から半減(一通の精度へ)
配信作成〜実行の工数
約7割
AIの提案 → 人が承認 → 実行

配信を減らしたのに、反応は増えた。送る相手だけでなく“中身”まで一人ひとりに合わせ、季節の定期便で“次の旬まで買い続ける理由”を設計したことで、ブロックは下がり、2回目の購入が増え、定期便の継続率が高い水準で安定し、既存顧客のLTVが伸びた。広告で季節ごとに新規を買い続ける消耗戦から、一度出会った人と季節をまたいで付き合うモデルへ——産地の物語を一切崩さずに、データは明確に動いた。

お客様・スタッフの声

自分が好きな海の幸の“今が旬”の知らせが届くので、つい開いてしまいます。ちょうど食べ終わる頃に“次はこれが旬です”と来るので、選び直す手間がなくて助かっています。

── 季節の定期便会員(30代・女性)

毎年お中元で使っていたんですが、いつも何を贈るか迷っていました。去年の少し前に“今年も人気の詰め合わせが届きます”と来て、そのまま頼めて楽でした。

── ギフト利用のお客様(50代・男性)

お客様の購入歴と用途が画面で分かるので、同梱メッセージや受け取りの案内が具体的になりました。冷凍の解凍方法まで添えられる。配信も、送る前に必ず確認できるので安心です。

── 発送担当スタッフ

何を、いつ、誰に送るべきかをAIが提案してくれるので、繁忙期でも配信が止まりません。ブロック率を見ながら頻度を調整できるのも大きいです。

── 代表

これからの展望

次に見据えるのは、購入データと味の好み・用途を組み合わせた“一人ひとりの食卓の設計”だ。データが積み重なるほど、AIの提案はこのブランドらしく賢くなる。魚を好む人へは旬の新物を、ギフト中心の人へは季節の少し前に便りを、フルーツ好きへは産地の入れ替わりを——。「送る数」ではなく「届く精度」で勝負する方針は、購入データが厚くなるほど効いてくる。季節の定期便の解約を減らし、一人のお客様と何度も季節をまたいで付き合うほど、その価値は複利で積み上がる。

検討中のEC・お取り寄せブランドへ — 代表からのメッセージ

「注文履歴をデータベースに持っているだけでは、宝の持ち腐れです。季節の定期便で“次の旬まで買い続ける理由”をつくり、購入が記録されるだけで、誰が常連で、誰が一度きりで離れかけているか、誰がギフトで動く人かが見えてきます。あとは、その人あての一通を、ちょうどいいタイミングで送るだけ。冷凍の受け取りや送料の不安も、LINEで一声かければ越えられます。難しい運用はAIが提案・下書きしてくれて、送る前は必ず人が承認します。広告で季節ごとに新規を買い続けるのに疲れたら、一度出会った人と長く付き合う方へ舵を切ってみてほしい。旬と産地を大事にしたいお取り寄せほど、“1人ずつ”の配信は効きます。まずは無料で、自分たちのデータで試してみてほしい」。

まとめ:季節ごとに新規を“買い続ける”より、一度出会った人と“1人ずつ”で勝つ

LINEの平均ブロック率29.7%、ブロック理由1位は「頻度」。一方で国内利用者は1億人規模、3回買えば約9割が定着——。巨大なリーチと、高い離脱が同居するのがLINEの現実だ。新規獲得コストが上がり続け、しかも旬で需要が入れ替わる食品お取り寄せECにとって、量産の一斉配信は、最も安い再購入チャネルを自ら細らせる。この矛盾を解く鍵は、“誰に”の先の“何を”、つまり配信を1人ずつに変えることにある。季節の定期便で“次の旬まで買い続ける理由”を設計し、ステップ配信で2回目の崖を越え、冷蔵・冷凍の受け取りをLINEで支え、セグメントでギフト需要・カゴ落ち・休眠を拾い直し、リッチメニューで動線を整え、AIパーソナライズが関連性を上げてブロックを下げ、AIエージェントが運用を止めずに回す。最後は必ず人が承認する。送る数ではなく一通の精度で勝つ——それが、産地の物語を守りながら、2回目購入とLTVを伸ばした道筋だった。

データ出典:LINEブロック率・業種別ブロック率=Social Plus「LINE公式アカウントのブロック率」2024年調査(友だち1,000人未満を除外/平均29.7%)。食品お取り寄せECは業種として個別公表が無く、近い業態(日用品19.1%)と平均値を目安として参照。ブロック経験70%・理由1位「配信の頻度が多すぎる」26.5%・60代利用率69.0%=モビルス2025(655名調査)。国内LINE利用者数=LINEヤフー公表(約9,800万→2026年1億突破)。新規リピート約30%・3回購入で約90%継続=POS+/タカラベルモント(来店リピートの調査を物販の再購入に援用)。LINE開封率「約60%」は業界通説で一次出典が乏しく、諸説あります。当該ブランド個別の数値(2回目購入率・季節の定期便継続率・反応率・カゴ落ち復帰率・休眠復活率・ブロック率・LTV)は当該ブランドの実績にもとづく値です。

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