TikTok広告からLP経由でLINE友だち追加を計測する方法
本記事では、TikTok広告を経由してLINEに友だち追加したユーザーを正確に追跡し、TikTok広告マネージャー上で成果(コンバージョン)として計測するための設定方法を解説します。
1. 概要
TikTok広告からランディングページ(LP)にアクセスした際、自動付与される一意のID ttclid(TikTok Click ID) を引き継ぐことで、ユーザーがいつ・どの広告から友だち追加に至ったかを判別し、TikTok広告マネージャー上でコンバージョンとして計測できます。
本手法はサーバー連携(S2S)ではなく、ブラウザ上でTikTokコンバージョンタグを発火させるアプローチです。
友だち追加完了のタイミングでTikTokピクセルのイベントを送信し、TikTok側でコンバージョンをカウントできるように設定します。
TikTokのttclidは広告のクリック発生時にLPのURLに付与される重要なパラメータです。
これを確実に引き継ぐことで、計測漏れを最小限に抑えられます。
2. 設定の流れ
本設定は大きく次のステップで行います。
- LPにTikTok広告のトラッキングパラメータを付与
- LINE友だち追加ボタンにトラッキング用LIFF URLを設定
- 外部サイト遷移時にパラメータを引き継ぎ
- TikTokコンバージョンタグの実装と発火
サブスクラインを利用する場合は、LIFF経由でttclidを保持したまま公式アカウントの友だち追加を実装できます。ここでは一般的な実装フローを説明します。
STEP 1:TikTok広告のトラッキングパラメータ設定
TikTok広告からの流入を識別するため、ttclidがLPのURLに付与されるようにします。2023年以降、標準で自動付与される仕様になっているため、通常は追加設定は不要です。
もし自動付与されない場合や、広告の最終URLにクエリパラメータが付与されていない場合は、&ttclid=__CLICKID__
(__CLICKID__
はTikTok側で動的置換)を手動で追加します。
例:
既存URL →
https://example.com/lp?page=1
最終URL →
https://example.com/lp?page=1&ttclid=__CLICKID__
LP到達時には、受け取ったttclidをCookieやlocalStorageへ確実に保持しておくことで、後続のページ遷移でもttclidを失わずに済みます。
STEP 2:LINE友だち追加時のトラッキング
LIFFアプリを経由してttclidを引き継ぐ
通常の「友だち追加」リンクの代わりに、トラッキング対応のLIFF URLを組み込みます。これにより、ユーザーがLPからLINEアプリに移行する際にttclidを保持したまま、公式アカウントの友だち追加へ誘導できます。
トラッキング用LIFF URLの例
友だち追加ボタンに設定するURLイメージは以下の通りです。
https://liff.line.me/{LIFF_ID}/transfer/?saveReferer=true
&lineConfigId={LINE_CONFIG_ID}
&ttclid={取得したttclid}
&url=https://liff.line.me/{LIFF_ID}/transfer/&lineConfigId={LINE_CONFIG_ID}&url={TikTokコンバージョンタグが設置されたURL}&ttclid={取得したttclid}&line_user={line_user.hashId}
- LIFF_ID:作成したLIFFのID
LINE_CONFIG_ID
:サブスクライン内で作成したLINE公式アカウントのID- ttclid:広告から引き継いだTikTokクリックID
- line_user:サブスクライン内で発番したLINE友だち追加を行ったユーザーのユニークID
ユーザーがこのLIFF URLを踏むと、まずLIFFアプリ内でttclidを取得・保存し、TikTokコンバージョンタグが設置されたURLへ自動的にリダイレクトします。
STEP 3:外部サイト遷移時のパラメータ引き継ぎ
友だち追加完了後、TikTokコンバージョンタグが設置されたURLにて「LINE友だち追加ありがとうございました」ページなどの外部サイトへ案内する際、URLクエリにttclidを付与しておくことがポイントです。
たとえば、LIFF内で url=https://example.com/thanks?ttclid=xxxxx
のように指定しておき、外部サイト到達時に計測タグからttclidを読み取れる状態にします。
ブラウザコンテキストが切り替わると、CookieやlocalStorageが共有されない場合があります。
可能な限りURLのクエリにttclidを付与して引き継ぐ方が安全です。
STEP 4:TikTokコンバージョンタグの設置と発火
TikTokピクセルのベースコード設置
TikTok広告マネージャーのイベント管理画面から発行されたピクセルのベースコードを、外部サイトの<head>内に埋め込みます。すでに導入済みの場合は流用できます。
Google Tag Manager(GTM)を利用する場合は、カスタムHTMLタグなどでベースコードを管理すると便利です。
コンバージョンイベントコードの発火
友だち追加が完了したタイミングで表示されるページ(サンクスページ)などで、ttclidを紐付けてコンバージョンイベントを送信します。例として、CompleteRegistration
を送る場合は以下のように実装します。
<script>
ttq.track('CompleteRegistration');
</script>
- 標準イベント名:CompleteRegistration, Subscribe, SubmitFormなど適宜選択可能
- カスタムイベント:任意のイベント名を指定し、TikTok広告マネージャー側でコンバージョンとして扱う設定も可能
GTM利用時は「ページビューのURLが/thanks
を含む場合」などをトリガーとして発火設定し、ページ読み込みと同時にコンバージョン通知が行われるようにします。
3. 注意点
- ttclidの引き継ぎ漏れ防止:URLリダイレクト時など、パラメータを漏らさないように注意してください。
- LIFF動作の理解:LIFF経由で友だち追加することで、広告情報のトラッキングと広告媒体への成果通知を実現しています。
- TikTok広告マネージャーでの確認:実装後は必ずテストし、コンバージョンイベントがTikTok側で受信できているかレポートを確認しましょう。
イベントが反映されるまでタイムラグがあるため、少し時間を空けてからチェックするのがおすすめです。
テスト時は「TikTok Pixel Helper」などのブラウザ拡張機能を利用すると、ピクセルやイベント送信が正しく行われているか素早く検証できます。
まとめ
本記事では、TikTok広告からLP経由でLINE友だち追加したユーザーを計測するための手順を紹介しました。
「ttclidの受け渡し」→「LIFF経由で友だち追加」→「外部サイトでコンバージョンタグを発火」の流れを正しく実装し、TikTok広告マネージャーの最適化配信や効果測定に活用してください。
もし不明点や詳細実装についてのご質問がありましたら、サブスクラインのサポートまでお気軽にお問い合わせください。
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